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5月5日
天候)朝方:晴 昼間:晴 夕方:晴
行程)蝶ヶ岳→長塀山→徳沢→明神館
 今日の朝の風景は素晴らしかった。 折角山に登ってきてもこのように素晴らしい風景に恵まれることはまれなので、 とにかく感謝せねばなるまい。 写真もいろいろと撮ることができた。
 今日は刻々と状況が変わるので、 その度毎に撮影位置を変え三脚をセットしてレンズを交換し、 フィルムがなくなれば新しいフィルムを入れて、と忙しいことこの上なかった。 写真を撮りに来ているのだから仕方ないのだが、 この様な煩わしいことなしにいつかゆっくりと素晴らしい風景を楽しんでみたいものである。

 小屋に戻り、頼んでおいた弁当を朝食代わりに食べながら、 先程知り合った見ず知らずの登山者と山の話しなどを時間を忘れて楽しむ。 今日中に帰るつもりでいたのだが、上高地まで行くには時間的に遅く、 明日も休みであることから明神に泊まることにする。 それに今から上高地に行ったらGWの大混雑に巻き込まれること、間違いない。

(デジカメ写真)  明神までならまだ1時間程稜線上にいられるので、さてどうするかと考えていたが、 カメラも三脚も荷物を全部置いてデジカメだけ持って空身で蝶槍まで散歩することにした。 カメラと三脚を置いていくなんて普段はしないのだが、前からやってみたかった。
 初夏の日差しが残雪に反射して非常に眩しく暑い。 が、悪い気分ではない。 空には一つの雲もなく、左手には雪をまとった槍穂高連峰、右手には安曇野が広がっている。

(デジカメ写真)  蝶槍の一番高い岩頭にすくっと立ち、辺りを眺める。 ついさっきまでいた蝶ヶ岳ヒュッテが南方に小さく見える。 その背後に大滝山。 そこから右に視線を転ずると、霞沢岳、上高地、焼岳、乗鞍岳、御嶽山。 西方には槍穂高連峰の峨々たる山々に裏銀座の山々。 北方には常念岳、大天井岳。 東方には安曇野が広がり、その向うに浅間山。 更に南方に美ヶ原、霧ヶ峰、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス。 360度の大パノラマを思う存分楽しむ。

 穂高岳の方を見ていると空中にこちらの方に近付いてくる小さな点が二つあった。 どんどん近付いてくると、それは二羽のツバメであった。 二羽のツバメは私の頭をかすめるように蝶槍を飛び越え、安曇野の方に降りていった。 彼らはなぜ穂高岳のほうから飛んできたのだろう。 安曇野に行くにしてももっと楽なコースがあるろうに。 そして彼らには蝶槍の岩頭に立つ私はどのように見えたであろうか。

 下山は登りに苦労したことが嘘のように、標高2000mまではすんなり下りることができた。 ただ、標高2000mからの急斜面は雪がどろどろに腐っており、 雪面を踏み抜いたり、こけたりしながら斜面を転がり落ちるようにして大変であった。 下山すると徳沢のキャンプ場の雪が昨日とは見違えるほどほとんど溶けていたのが印象的であった。 徳沢の春は今日ここにやってきたようである。

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山日記
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